怖がりな犬(ビビり犬)の原因と克服方法:寄り添いで安心感を築く

人や物に過剰に怖がり怯えるワンちゃん…。体をぶるぶると震わせる姿は心が痛みますよね。
散歩やお出掛けなどもワンちゃんの過度な負担になっているのかと考えると心から楽しめない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ビビり犬の原因と、寄り添いを通じてその不安を克服する方法に焦点を当ててご紹介いたします。

Your Petia所属/プロドッグトレーナー

Ayaka Deguchi

ドッグトレーナー歴10年。動物専門学校のドッグトレーナー学科を卒業後、オーナー様の思いに寄り添い、犬たちの個性や性格を見極めながら、最善のトレーニング方法を提案し、数々のトレーニングを行ってきました。現在は現場に立ちながら、ドッグトレーナーの教育にも力を入れています。1人でも1頭でも幸せに暮らせる様にお手伝いができたら…!!そんな思いでオーナー様や愛犬たちと向き合っています。

怖がる(ビビり犬の)原因とは?

 怖がる(ビビり犬の)原因とは?

①過去のトラウマ

ビビり犬の原因の一つは、過去のトラウマです。
保護犬、レスキュー犬や虐待を受けた犬は、過去の経験から不安や恐怖を抱えがちです。
過去のトラウマがビビり行動を引き起こし、新しい環境や刺激に対して過敏に反応することがあります。飼い主は犬の過去を理解し、優しく接し、安心感を提供することが大切です。

②社交不安障害

社交不安障害もビビり犬の原因です。
これは犬同士や人間との関わりに不安を感じる状態であり、十分な社交スキルが欠如している可能性があります。
犬同士のトラウマや未熟な社交経験が原因となり、新しい出会いや環境変化に対して犬が適切に対処できなくなります。理解と慎重な接し方が必要です。

③遺伝的要因

ビビり犬の原因には遺伝的な要因も関与しています。
特定の犬種にはビビり傾向があり、これは遺伝子レベルで影響を受けている可能性があります。
犬種ごとの性格の違いを理解することで、適切なトレーニングやケアが行えます。
飼い主は犬種特有の特徴に目を向け、個別のケースに合わせたサポートを提供することが大切です。

ビビり犬の行動パターン

ビビり犬の行動パターン

①逃げる行動

ビビり犬は不安を感じると逃げ出すことがあります。
これは環境が過度に刺激的だったり、急激な変化があった場合によく見られる行動です。飼い主は環境を穏やかに保ち、ビビり犬が安心できるスペースを提供することが大切です。

② 吠える・噛むなどの攻撃行動

ストレスや不安がピークに達すると、吠えたり噛みついたりすることがあります。
これはビビり犬が自己防衛本能に従って行動している結果です。穏やかなリーダーシップとポジティブなトレーニングで、攻撃的な行動を緩和できます。

③身を守るための防御行動

不安からくる防御本能により、身を守ろうとする行動が見られます。
ビビり犬に対しては、急な動きや騒音を避け、徐々に慣れさせるトレーニングが必要です。

④体を震わす

ビビり犬の行動パターンには、ぶるぶると震えることが含まれます。
この行動は、犬が不安や恐怖を感じた際の一般的な反応です。
急激な刺激やストレスがかかると、犬は身体を震わせることで緊張を和らげようとします。

ぶるぶる震える行動は、犬のコミュニケーションの手段でもあります。
犬はこの行動を通じて不安や恐怖を伝え、支援を求めることがあります。
飼い主は穏やかな態度で接し、安心感を提供することで、ぶるぶる震える犬の不安を和らげることができます。

ビビり犬に対する理解と接し方

ビビり犬に対する理解と接し方

①無理強いを避ける

ビビり犬に対する理解と接し方の鍵は、無理な強制を避けることです。
ビビり犬のペースを尊重し、焦らずに徐々に新しい状況に慣れるようサポートします。
強制的な接触や訓練は不安を引き起こす可能性がありますので、ゆっくりとしたアプローチが必要です。

②ポジティブリンフォースメントの活用

良い行動に対しては褒めたり、ご褒美を与えて安心感を促進します。
ビビり犬が望ましい行動を覚えると、自信を持ちやすくなります。

③ 安全な場所の提供

ビビり犬が隠れる場所や安心できるスペースを用意してあげましょう。
これは犬にとっての安全なリトリート場所となり、ストレスの解消につながります。

寄り添いで安心感を築く方法

寄り添いで安心感を築く方法

①定期的な愛情表現

マッサージや撫でることで、ビビり犬に安心感を与えましょう。
穏やかな愛情表現は犬との信頼関係を深めます。

② 静かな環境の提供

騒がしい状況から遠ざけ、静かな環境を提供することが重要です。
ビビり犬は刺激が少ない方が安心しやすくなります。

③ 信頼関係の構築

ビビり犬との信頼関係を築くために、ゆっくりとコミュニケーションを図ることが大切です。
犬のペースに合わせ、安心感を徐々に構築していきます。

専門家のアドバイスを受ける

専門家のアドバイスを受ける

ビビり犬に関するアドバイスや専門家の意見を参考に、個々の状況に合わせたケアを受けさせることも一つの手です。動物行動学者やトレーナーに相談することで、より効果的な対処法が見つかる可能性があります。

ビビり犬のしつけの際にプロのドックトレーナーはどのような対応をしているのかドックトレーナーの出口さんに質問してみました。

Q1:トレーナーさんが怖がる犬に最初にする対応は何でしょうか?

まず初めにすることは、犬の(※)カーミングシグナルを読み取りながら安心感を与え信頼関係を築く事から始めます。
人自身がその子にとって安心できる存在になることで、怖がりな犬との精神的な距離が縮まり、トレーニングが進みやすくなります。
※カーミシグナルとは動物のボディランゲージのこと

Q2:克服するまでの期間はどれくらいかかりますか?

克服するまでの期間はその子の年齢や性格、これまでの経験によって大きく変わります。若く経験が浅い子であれば、ポジティブな刺激と経験を積ませてあげる事である程度改善しますが、相当なトラウマを抱えている子にはそれなりの時間と労力が必要になってきます。

Q3:ビビり犬のしつけに対して気を付けていることはありますか?

過度なプレッシャーや威圧感をかけずに、優しい声掛けを意識して接する様にして下さい。
その子のペースに合わせてゆっくりトレーニングをすることで確実に成長していきます。
その子にとって必要なしつけとその優先順位を整理してからしつけをスタートするようにして下さい。

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